十五夜と郷土の味。

9月に入りましたね。今月は、天候に大きく左右されますが、この季節かかせない「十五夜」についてお話します。

十五夜という言葉には、月齢15日目をさす場合と、月見行事の十五夜をさす場合とがあることはご存知でしょうか。

旧暦では、毎月15日が月齢15日目の十五夜。
また、旧暦で7月〜9月が秋にあたり、秋の真ん中である中秋は、空が澄み渡り1年で最も月が美しくみえることから、旧暦8月15日の十五夜を「中秋の名月」と呼び、お月見をするようになったそうです。
月見行事をする十五夜は、旧暦8月15日の月をさし、2020年は10月1日です。

十五夜とは、満月を眺めるお月見の日として広く知られていますが、「中秋の名月」を鑑賞するとともに、収穫に感謝をする行事の一つでもあります。

平安時代の貴族が中国の観月をとりいれ、月を見ながら酒を酌み交わし、船の上で詩歌や管弦に親しみ、空を見上げ眺めるだけでなく、水面や盃の酒に映った月を愛でていたようです。江戸時代には庶民に広がり、貴族のように月を眺めるだけでなく、秋の収穫物をお供えをし、実りの喜びを分かち合い感謝をする収穫祭や初穂祭りの行事の意味が大きくなりました。

また、十五夜は、芋類の収穫祝いを兼ねていたことから「芋名月」という異名ももち、すすきやお団子以外にも里芋を供えるそうです。
香川県には、「いもたこ」といった旬の里芋を使った郷土料理があります。瀬戸内海の恵みと合わせ、甘辛く炊いた料理です。

お供えではありませんが、味わいながら、味噌の材料に欠かせない米が無事収穫されること、毎日おいしい食事かとれることに感謝をして十五夜を迎えたいと思います。

これから台風シーズンに入りそうです。とにかく大きな被害がないことを祈ります。