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塩と大豆のエナジードリンク

ふたつの台風が通り過ぎていき、また暑い夏が訪れています。
今年は例年になく猛暑が続き、外出先でお客様にお会いすれば「暑いですね」からの挨拶になってしまいます。

このうだるような暑さのなか、5日から甲子園にて高校野球全国大会が始まります。今回は100回記念とのこと。県大会では最後まで粘り強い試合をした香川代表の丸亀城西高等学校が、どこまで活躍されるか今から楽しみです。

炎天下での試合では、緊張感あふれる選手や応援される方の熱気にあふれています。暑さのなか、心配なのは毎日のニュースにもあがる熱中症。
照り返しの強いなか、止まらない発汗とともに体内の塩分も損なわれていきます。その際の水分補給には、塩分も共に補給することが熱中症予防には欠かせません。

そこでおすすめしたいのは、朝一杯のお味噌汁。

味噌汁の塩分量は、市販のスポーツドリンクと同じ位といわれ、失われた塩分を適切な量を取り入れることができます。また高血圧など塩分摂取による弊害も、近年の研究では大豆と共に摂ることで血圧を抑制する効果があるそうで、大豆が味噌に変化する発酵により、体内へもすばやく吸収されます。

体内に必要な塩と良質なタンパク質である大豆がお互いを補いあう、味噌。
そこに出汁やわかめを加えることでミネラルも摂取でき、優秀なプロティンの一種になります。3年ぶりに出場を果たす日大三高の選手も、合宿の朝には味噌汁を1杯食べて練習を始めるそうで、味噌汁がハードな練習に耐えうる体格を支えています。

白球を追いかける選手や、スタンドで応援する生徒やご家族、文科系の運動部といわれるブラスバンドの皆さんなど、今この瞬間に懸けることで、決勝への頂上に近づいていっています。どのお顔も一生懸命な表情で、見ているこちらもいつのまにか、手に汗握る観戦になっています。
この熱さも夏ならでは。
賢く熱中症を退けながら、季節の風物詩を楽しみたいですね。

五菜三根あつめ汁

先月からつづく猛暑とスコールのような梅雨に、天候の極端な激しさを感じます。

その激しさを気持ち的にも感じるのは、今熱く応援しているロシアでのワールドカップ。波乱含みの予選が終わり、これからの本戦はそれぞれの強豪国と戦っていく中、西野監督が率いる日本チームがどんな活躍を見せるのか期待しています。

世界の様々なチームで活躍する選手が、お互いを補いながら一つのチームとなって戦う姿は、観ていて楽しいものがあります。このいいものを一つに纏めたという括りとして、伝統ある味噌汁が各地に伝わっているのはご存知でしょうか。

東北地方のほか静岡などにも伝わる『あつめ汁』は、ごぼうや大根、里いもに干したあわびや魚など具沢山の味噌汁。集めてきた色々な食材をふんだんに使い、豪華な椀ものとなりました。

戦国時代では、上杉謙信が出陣の前に部下とともに食べたと言い伝えられています。また織田信長を迎えるお膳や、豊臣秀吉をもてなす前田利家の自宅でもあつめ汁を振る舞ったとの記述も残っています。

江戸幕府を開いた徳川家康は、葉ものの五種と根菜の三種を使った、野菜たっぷりの「五菜三根の味噌汁」を好んで食べました。麦ご飯とともに伝えられるのは、健康食そのもの。このことが当時の平均寿命よりもはるかに長生きだった秘訣かもしれませんね。

いま現在では、主に東北地方で5月5日の端午の節句に邪気を払うものとして食べる風習があります。静岡ではお盆の際にお供えし、家族で食する料理のひとつとなっています。

具材がいっぱいのあつめ汁と、日常にふだん食べる味噌汁は、いわばハレとケにあたるもの。
歴代の将軍も好んだといわれる味噌汁が、最後の将軍 徳川慶喜が移り住んだ静岡に、祭礼の食事として伝わっているのもなにかの縁なのではと、日本のなかでも特にサッカーの盛んな静岡とあわせ汁の歴史に、想像をめぐらすのも楽しいものです。

よきもの忍ばせて

初夏の日差しと肌寒い雨が、交互に訪れています。
今年の梅雨は例年よりは早くやってきながら、少し恥ずかしがり屋のようです。

仕事柄、立ち寄るスーパーなど食料品店では、春から夏に旬を迎える食料品が彩りをそえています。先日までならんでいた筍から、夏野菜のゴーヤに変わっていく様は、季節の移り変わりの早さを感じますね。

鮮魚売り場でもアユやトビウオ、県魚のサワラなど、夏先に美味しい魚介が並んでいます。弊社も旬の時期にあわせて、香川の郷土料理「サワラの味噌漬け」に適した『みそ漬け用味噌』を業務用に出荷しています。

この味噌漬け、全国にはさまざまなものが伝わっています。

サワラの味噌漬けと同じく、時期物の魚を使った「西京漬け」は、京都一円の郷土料理。海から遠い土地に運んできた魚を、白味噌の西京味噌に漬け込み、日持ちと美味しさを引き出した一品になっています。

またお隣の近江では、「近江牛の味噌漬け」が有名。将軍家の献上品「養老の秘薬」ともなりました。幕末の桜田門の変につながる逸話もあり、その味の良さを伺わせます。

野菜を使ったものでは、岩手の主に花巻地方で作られている「金婚漬け」があります。

瓜のワタを筒状にくり抜き、中に昆布で巻いた大根や人参などを詰めて、味噌漬けにしたもの。
1月から1年以上漬ける保存食で、なまこ(きんこ)に似ているからとも、漬かれば漬かるほど味が良くなるところから、金婚式にかけて名付けられたともいわれています。輪切りに切れば、人参など中に詰めた野菜が色を添えた、名前通りおめでたい漬け物です。

金婚漬けに似た漬け物が、三重にもあります。

「養肝漬け(ようかんづけ)」といい、こちらは瓜のなかに刻んだ大根やキュウリにショウガや紫蘇の実などを昆布で巻いたもの。骨太な名前なのは、伊賀上野の初代藩主、藤堂高虎が陣中食として貯蔵を推進し、これで武士の肝を養うとしたところから名付けられました。

一説には忍者の携帯食だったとのこと。
戦国時代には、伝統食の基礎になったものや、面白い食べ方のものなどがありますが、養肝漬けもそのひとつ。瓜のなかに詰めて味噌漬けしておけば、中の野菜の風味を損なわせることなく、長期にかけて保存が可能となります。食べる直前にスライスすれば気軽に食べることが出来る、手軽な携帯食でもありますね。

漬け込むことで食材の美味しさを引き出す味噌漬けは、昔の人の知恵が詰まった食文化。ぜひ、変化楽しい味噌漬けを味わってみてくださいね。

上海、味噌事情

あたたかな日が続いていますね。
春の陽気に誘われ、街かどの桜は今満開になっています。

先日22~26日まで、中国は上海にて味噌の販売に行ってまいりました。
販売場所は、いつもイベントをさせていただいているシティスーパー様。去年の6月と同様にお味噌の量り売りや、オープンキッチンをお借りしての実演調理もさせていただきました。
何度もおじゃましていますが、国外の緊張感もありながらその土地のお客様と一期一会でお会いすることは、とても楽しい時間で心躍りました。

今回も赤味噌やさくら味噌が上海の方の好みに合ったようで、売れ行きも好評でした。また多くの方に試食いただきながら、弊社の味を知って頂くことができたと思います。

いままでも何度か訪ねている上海で、やはり気になるのは現地の味噌事情。

短い滞在期間ながらこれからの参考にと、お世話になった現地の方に、通訳さんを通してお話させていただくと、豆と米、塩で発酵させた味噌のようなものは、ないとのこと。中国料理の味噌といえば、XO醤に、えびや海鮮醤、ゴマを使ったものを指すようです。

似た物でありますかと重ねてお聞きすると、お店から3品出していただきました。
全て台湾からの豆豉といい、2つは日本の味噌のようなペースト状ではなく、豆の形状が残ったもので、かさかさに乾いているようです。食べ方をお聞きしますと、調理の際にふりかけながら味付けをおこなうとの事。麻婆豆腐などにもよく使用されているようです。
豆豉醤とかかれたものもあり、材料は黒大豆と塩、そして麹と酵母で発酵させたものだそう。こちらはすりつぶした形状となっています。

この豆豉は、日本には奈良時代に中国から伝わって、京都にある大徳寺納豆などが同じような製法で造られています。あまり見かけないと思っていると、日本で違う名前で伝わっていたりと、調味料を通しても昔から日本との交流を感じますね。

いま海外では日本料理がブームを終え、広く定着しているようです。
購入いただいたお客様とのやりとりや、多くみかけた日本料理店でも、少しづつ広まっていることを実感しています。
日本に伝わっていった色々な中国の調味料のように、中国のご家庭のなかでも日本の味噌が親しんでいただければと、ますます様々な場所での販売イベントに力が入ります。

白味噌と春告漁

雪の多かった冬が少しづつ遠のき、日差しに暖かさを感じます。
近くにある栗林公園の梅も、今が盛り。春がそこまで来ているようです。

春先から夏にかけて香川では、白味噌を使った料理がたくさんあります。
とくに県魚「サワラ」は春を告げる代表的な食材で、サワラの味噌付けなど、白味噌と共に郷土料理にはかかせない逸品です。いまの時期から仕込む白味噌は、ちょうどサワラの料理などにもお使いいただけるのではないでしょうか。

全国にある味噌のなかでもこの白味噌は、京都など関西が主な消費生産地域です。
他に、香川と並んで有名なのが、広島の府中味噌。

府中味噌の中心である広島県府中市は、北に良質な米と大豆の栽培地かかえた場所がら、江戸時代には生産されるようになりました。また京から安芸につづく山陽道と、石見銀山からの出雲道がかさなる交通の要衞所だったため、参勤交代などで行き交う人々の献上品として江戸にあがり、全国的に知られたようです。

この府中味噌にも、春を告げる水産品をつかった郷土料理があります。

府中市から南へ、瀬戸内海に望めば鞆の浦に行き当たります。
映画「崖の上のポニョ」の舞台にもなった鞆の浦では、特産である『鯛』で作られたさまざまな料理あり、そのなかでも古くから伝わるおみやげにあるのが『鯛味噌』
この鯛味噌は、府中味噌を使って鯛のそぼろと砂糖などと合わせた調理味噌で、そのままでもご飯やふろふき大根にあわせても美味しそうです。

「マダイ」はサワラと同じく外海を回遊し、産卵のため穏やかな瀬戸内に帰ってきます。
香川につたわるサワラ漁法の「流しさし網」や鞆の浦の漁法「鯛網」は、いまもおこなわれる伝統的な漁法。
冬の寒さが明け、待ち遠しい春を瀬戸内地域の食卓につたえてくれています。

映画のなかでもひるがえっていた大漁旗は、漁師の皆さんが掲げるあざやかな豊穣のあかし。この技術も、さまざまな郷土料理をささえる財産として、未来に残したい漁業文化です。